発達障害の傾向を見つける方法(10ヶ月ごろから2歳ごろまで)について解説します。 ADHDやASD(自閉症スペクトラム障害)など。
発達障害は早期発見、早期療育が大切です。そのポイントとなる時期は1才6ヶ月です。なぜなら子どもがまだ小さいうちは発達障害の徴候が見分けにくいことが関係します。そして、1才6か月~満2歳までに必ず行われる乳幼児健康診査があるのがポイントです。
うちの子どもは発達が遅いんじゃないか‥‥と心配に思ったり、子どもに関する困りごとがあっても親はどこに相談したらいいのかわからないことが多かったりします。気になるけれど、すぐ相談ではなく、様子を見ようと思っていることもあるでしょう。
乳幼児健康診査では、医師、保健師、言語聴覚士、公認心理師などの多くの専門家が関係します。この健診で日ごろの気になることをぶつけて見ることをオススメします。発達障害を中心に、参考になるポイントを見ていきましょう。
人の持つ社会性は0才児からすでに発達が始まっています。言葉を話し始めるまでの社会性の土台は0才代から作られていくので、それを丁寧に見ることが大切です。ポイントを押さえて見ていけば、社会性の発達指標を手がかりに1才6ヶ月から2才ごろまでに対人面での発達やコミュニケーションが順調かどうか確認することができます。
この年頃の子どもの多くは落ち着きがないのが普通なので、ADHDかどうかを鑑別するにはまだ早いでしょう。また読み書きなどの高次な機能について、幼児で評価することは困難なので学習障害(LD)の判断ができるのももう少し先になります。
ASDに関してはは生後18~24か月で早期の徴候が表れはじめます。問診の一部や心理検査としてM-CHAT (Modified -Checklist for Autism in Toddlers; 乳幼児期自閉症チェックリスト修正版)が使われることが多いでしょう。
子どもの非言語的な社会性、関わりの基礎は18ヶ月までの間に飛躍的に発達していきます。特に10ヶ月ごろまでに、大人とのやりとりを楽しめるようになっていきます。そのため以下のような点ができるかできないかをチェックしましょう。
・目が合うかどうか
・名前を読んで反応をするか
・こちらが笑うと笑い返すか、微笑み返すか
・他の幼児に興味を示すか
大人とのやり取りの中で子どもは大人と興味を重ね合わせることができるようになっていきます。大人が見るものを見たり、大人の真似をするようになったりします。これらは共同注意という言葉で説明されます。
・大人の注意を引こうとするか
・大人の真似をするか
・大人が指差したものを見るか
・興味があるものを指差しするか
15か月頃には、さらに積極的な興味の共有がなされるようになってきます。例えば、大人の視線や表情などを見ることができるようになっていきます。
・興味があるものを見せるために持ってくるか
・大人の視線を追って同じものを見るか
・慣れない状況に置かれたときに親の表情を見るか
・大人が指差しをしたら、その方向を見ますか
・興味のあるものを指差ししますか
・興味のあるものを見せに持って来ますか
・大人が見ているものを見ようとしますか
・同世代の子どもに興味がありますか
・人の真似をしますか
・目を合わせますか
・微笑みがえしをしますか
・名前を呼ぶと反応しますか
・大人の注意を自分に向けようとしますか
・新奇の場面で親の表情を確かめますか
気になるところをチェックして、健診にて質問したり、確認を取れるといいですね。
手を洗うときの言葉かけ、食事をしながらの言葉かけ、いっしょに料理をするときの言葉かけ、散歩のときの言葉かけ、遊びながらの言葉かけ―ABA(応用行動分析)を利用した「言葉かけ」をすれば、楽しみながら家庭で子どもの力を伸ばせます。
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