「メンタライジング・アプローチ入門」を読むと精神分析の素養なしに臨床能力が上がる気がする

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上地/雄一郎 自分と他者の精神状態を推察する心的行為であるメンタライジング。メンタライジングの視点を心理療法に生かしたい臨床家のために,基礎的知見からそれを用いた介入・応答の実際までを平易に解説。心の理論やナラティヴなどの類似概念との関係についても整理し,関連領域である愛着理論・愛着研究についても詳説。

  

メンタライジング・アプローチ入門: 愛着理論を生かす心理療法

 

メンタライジングとは何かをしっかり理解せず、実践編の部分だけ読んだだけでも患者さんとの応答が変わった気がする不思議な本。患者さんが抱いている「表象」にもっと具体的に触れるような返答、促しを意識するだけで、面接が深まったように思える。

 

本書の推薦の言葉にもそうした読み方が勧められている。

 ・第5章 メンタライジング的応用、
 ・第6章 境界性パーソナリティ障害、
 ・第7章 自己愛の障害への対応モデル

を先に読んでしまうのだ。

 

最初の理論編に関しては、たくさんの用語が出てきて、所見ではギブアップで流し読みになってしまったのは内緒です。大量の横文字を整理しつつ読むのは、若くて柔軟な脳みそが必要らしい。

メンタライジングのポイントは「心で心を思うこと」(holding mind in mind)ということ。自分の心の中で、自分と他者の心について考え、感じることを意識するだけでも臨床が変わってくるのがわかる。

  

一歩上の心理臨床を目指す際に手に取ると良い本のように思います。

 

メンタライジング・アプローチ入門: 愛着理論を生かす心理療法

 

上地/雄一郎 自分と他者の精神状態を推察する心的行為であるメンタライジング。メンタライジングの視点を心理療法に生かしたい臨床家のために,基礎的知見からそれを用いた介入・応答の実際までを平易に解説。心の理論やナラティヴなどの類似概念との関係についても整理し,関連領域である愛着理論・愛着研究についても詳説。

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