Vineland™-II適応行動尺度 (ヴァインランド・ツー)について 診療報酬改定2020年関連

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Vineland™-II適応行動尺度 とは?

 

Vineland™-II適応行動尺度(Vineland 2)は、日本文化科学社から発売されている心理検査です。辻井先生、村上先生らの監修により標準化され、2014年から入手できるようになりました。その特徴などについて、解説したいと思います(検査の内容などは専門性の観点から論じていません)。

 

原著者 Sara S. Sparrow、 Domenic V. Cicchetti、David A. Balla
日本版監修 辻井 正次、村上 隆
適用範囲 0歳0カ月 ~ 92歳11カ月
実施時間 20分 ~ 60分

Vineland-IIでは,0歳から92歳の幅広い年齢帯で,同年齢の一般の人の適応行動をもとに,発達障害や知的障害,あるいは精神障害の人たちの適応行動の水準を客観的に数値化できるのが大きな特徴です。

Vineland-IIは医療分野だけではなく,教育や福祉分野の個別支援計画の立案,現状の支援程度評価の課題を補う意味でも,有用な情報を提供してくれるアセスメントツールです。

https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/vineland2.html

 

Vineland ii の特徴

 

Vineland iiは、米国においてASDの研究やアセスメントに使われることが多い心理検査です。 ADOSなどと併用されることも多く、「適応」という領域からASDを見ていくという点においては、ASD用の検査に引けを取らないよさがある検査となります。

 

DSM-5において、知的障害は「発達期に発症し、概念的・社会的・および実用的な領域における知的機能と適応機能両面の欠陥を含む障害」と診断基準が変更されています。つまり、単純なIQで能力を図るのではなく、適応行動からアセスメントをしていくことがますます重要になってくるということです。

 

令和2年度(2020)の診療報酬改定において、VinelandiiはD283 発達及び知能検査の2に該当するようになり、診療報酬を算定できるようになりました。これは医療の分野においても「適応」という観点から、診断や治療、そして支援をしていくという国の方針とも見て取れます。

 

また、辻井先生は「特に障害児者福祉施設・事業所において、有効なアセスメントの実施ができていない現状」を指摘されています。心理検査は主に医療領域で診断をつけるために使われてきており、Vineland iiはこうした領域でももっと普及していくことが期待される検査と言えます。https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/h24_seikabutsu-22.pdf

 

Vineland iiでは適応行動を「個人的・社会的な充足を満たすために必要な日常生活における行動」と定義しています*。簡単に言えば、日常生活を送っていくために必要となる年令に準じた食事、身だしなみ、清潔、金銭管理、仕事、対人関係などのことと言えるでしょう。

ちなみに適応行動は以下のような、いくつかの要因によって決定されます。

 1.年齢に関連しており、それぞれに年齢によって重要な適応行動は異なる。
 2.他人による期待や基準によって決定される。
 3.環境の影響で変化を生じる。
 4.行動を評価するものであって、潜在的な可能性とイコールではない。

Vineland ii の実施について

 

具体的に、Vineland iiでは適応行動を「コミュニケーション」「日常生活スキル」「社会性/対人関係」「運動スキル」という4つの適応行動領域(+不適応行動領域)とその下位領域から見ていきます(下位検査については割愛)。対象者が定型発達と判断されれば、運動スキルは6才までを評価の対象とします。不適応行動に関してはオプションとして設定されており、回答者の許可を得てから質問するように決められています。

実施は「半構造化面接」で行われます。用紙に書いてある項目を読み上げるのではなく、自然な会話の中から各項目について質問していくことになります。そのため質問項目が前後することがあったり、ひとつの会話の中から複数のスコアを付けることもありえます。実質的には検査に割くことができる時間とのにらめっこになると思われます。

スコアリングは2・1・0の3段階で評価されます。対象者が促しなしにその行動を習慣的に行っていれば2点。促しが必要であったり、習慣化していないけれど時々行われる場合は1点。めったに、もしくは全くその行動が生じない場合は0点となります。「行動」を評価することが肝心であり、知識があってもその「行動」を遂行していなければ評価をつけることができません

各項目が集計されるとそれぞれの項目の評価点、それを合わせた適応行動総合点が算出されます。下位検査からはv評価点が算出されます。不適応行動領域では、v評価点のみが算出され、それぞれの質問項目に関して行動の頻度(2点/1点)と強度(S/M)が記録されます。

 

*Sparrow, S. S., Cicchetti, D. V., & Balla, D. A. (2005). Vineland adaptive behavior scales, second edition: Survey forms manual. Minneapolis, MN: Pearson.

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