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躁うつ病の概論 |
躁うつ病、躁病、うつ病というのは、それぞれ違う病気なのですが、ここでは細かく区別せず「うつ病」を中心に取りあげます。 誰でも元気がなくなり、落ち込んでしまうようなことってありますよね。うつ病になると、落ち込んでしまうことに加えて、しゃべり方や動作もゆっくりになってしまいます。また表情はかたく、顔色も悪くなってきて、考えることは「自分はダメな人間だ」などと悲観的な内容ばかり・・・。ほんとうに苦しい状況だと思います。 初めのころには、朝布団から出るのが億劫でしょうがない、朝刊が読めなくなったというように、これまで普通に行っていた日常的なことができなくなったりします。また、気分の変化よりも先に、寝つきが悪くなったり、食欲がなくなったり、食べ物の味がわからなくなったり、性的なことへの興味が薄れたりというような自律神経症状がでていることも多いようです。 こうした症状は、朝方悪くて、夕方から夜にかけて少し楽になるというように一日の中でも変動します。また、初老期・老年期の人の場合、「うつ病」になると妄想が出てくることもあるので注意しなければいけません。 「うつ病」になると、将来について絶望してしまったり、ささいなことで泣いてしまたり、言いようのない寂しさに襲われたり、他人に迷惑をかけているんじゃないかと思えてきます。また「消えてしまいたい」「自分が生きていては迷惑になる」という希死念慮も生じることもあります。 「うつ病」の人を見て「なまけている」「気合いが足りない」と言う人がいますが、誰も好きでなっているわけではありません。 「うつ病」には大きく分けて3つのタイプがあり、何かショックなことがあって落ち込んでしまったというような「こころ」が関連しているものは、その1つにすぎません。他の「脳」や「神経伝達物質」に関連が強いと考えられている「うつ病」にかかっている人のほうが、実際としてはかなり多いのだと思います。 この病気は遺伝の影響も少しあるようで、近親者に「うつ病」の人がいると少しだけ「うつ病」にかかる率が高くなることが知られています。病気そのものが遺伝するのではなく、落ち込みやすい性格やストレスに対する弱さのようなものが遺伝すると考えるいいかもしれません。だから、「うつ病」には、気持ちの問題だけではなく、脳の病気という側面があることは理解して欲しいと思います。 |
一方、躁病の方はテンションが上がってしまう病気です。
軽い躁状態の時は、気分が高まって、気力がみなぎっており、心身共に調子が良く感じられます。よくしゃべり、ずいぶん社交性になったりしますし、睡眠時間をとらなくても平気なことが多いようです。 まだ、この段階では社会適応していくことができ、時には仕事の効率もあがったりするかもしれません。 しかし、本格的な躁状態になってくると、まわりに迷惑がかかってくることが多くなります。気分が高揚して、注意が次々に変わり、いろいろなことをしゃべりまくり、夜も眠らずに活動を続けます。 躁状態と言うと、一見楽しくてしかたがないような印象を与えるかもしれませんが、実際はすぐに攻撃的になってイライラしたり、ちょっとした刺激で怒りやすくなったりすることが多いようです。 また、じっとしていられずに、お金を気前よく使いまくってしまったり、性的に奔放になったりもします。自分はなんでもできる、すごい人間であるという誇大感が強まって、やや妄想的な言動がみられることもあるようです(例えば「自分は超能力者だ!」など)。 躁うつ病を理解するための書籍としては、「躁うつ病はここまでわかった」が治療の実際をうまく描いていると思います。また、自分でできる治療として認知療法関係の本が役立ちます。「「うつ」を生かす―うつ病の認知療法」が有名な一冊です。 うつ病関連で売れている書籍の一覧はこちらで見ることができます。また、lulu-webお勧めのうつ病関連の書籍はこちらになります。 |
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