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児童分析の記録
児童分析の記録
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メラニー クライン 山上 千鶴子
誠信書房 (1987/07)
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 メラニー・クラインが、リチャードという10才の男の子を対象に行った児童分析の臨床記録である。臨床記録は93セッション(4ヶ月)にわたり、1セッションごとにクラインが行った解釈、それに対するリチャードの反応など、二人のやりとりが忠実、かつ詳細にクラインによって記録されている。

 それぞれのセッションの記録はセッションの終了後、治療者であるクラインによってとられた記録、そしてそれらに対する後記からなっている。精神分析の技法を学ぶのは大変困難である。理論をどんなに学んでも、なかなかそれを臨床現場につなげることができない。しかし、本書ではクラインが、彼女の一見難解な発達論がベースにどのような児童分析を行っていたのかが具体的にわかる一冊である。

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メラニー・クライン入門
H.スィーガル 岩崎 徹也
岩崎学術出版社 (2000/00)
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本書は文字通り入門にはぴったりの本である。学生の頃に読んだが、これ一冊でメラニー・クラインの重要概念が押さえられる。「妄想分裂態勢」「抑うつ態勢」など非常にわかりやすく解説してある。

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フロイトからユングへ―無意識の世界
鈴木 晶
日本放送出版協会 (1999/10)
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この本は、これまで色々と読んできた、フロイトとユング、そして二人が始めた精神分析学や深層心理学について概観した、一般向けによくまとめていると思います。著者は「図説フロイト」と同じ、鈴木晶教授ですから、内容的に重なっている部分もあります。フロイトやユングを語る場合、その時代や人生を知ることが大切だとされていますが、それはこれらの人々の理論が、時代背景や生い立ちを反映しているからだと著者は書いています。この点は、私も同感です。例えば、ユングは霊性やオカルトに強い関心を持っていましたが、これはユングの母親が霊能者の家系だったことも起因していると考えられます。

フロイトとその弟子、アドラーは共にユダヤ人でしたが、フロイトが裕福な患者を相手にしていたのに対しアドラーは専ら貧しい下層の人たちの相手をしていたことから、アドラーの理論は、より政治的で、劣等感やそこから生じる権力欲を重視したと解釈されています。

フロイト、アドラー、ユングの流れを組む精神分析学は、それまで人間が意識中心に動いていると思われていたのに、実は無意識に支配されている部分が非常に大きいのではないかという、人間観に大きな転換点をもたらしました。人間は進化したおかげで、動物のような本能が壊れてしまったために、自然からずれてしまいました。意識から排除して抑圧した影は、それが大きくなると、逆に力を持ち、様々な形で反動を形成するということになるそうです。そのため、自我と影のバランスが保たれるよう、影にもきちんと向かい合うことが大切だとされています。親子間において、親と全く正反対の性質を子供が持つ、というような形で出てくることもあるようです。

より社会的には、ある集団が影を抑圧していると、それを他集団に投影して戦争に発展しやすくなるということや、影を悪魔やお化けといったものに、文化的にイメージ化する、ということもあるようです。この本は、大変分かりやすく、さらにフロイトやユングに関連する事柄を、ほぼ網羅的に書いていますので、入門書として非常に良いのではないかと思いました。

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神田橋先生の本は、学生時代に読んだときには理解できないことばかりで「何か難しい本だなあー」と思っていました。

就職して何ヶ月かたってから読み返してみて、ようやく「なるほど、そういうことかあ・・・」と唸ってしまうようなとても濃い内容の本だということがわかってきたような感じです。

やっぱり臨床経験を積みながらじゃないと、こういう技術的な部分に触れた本は理解しにくいのかもしれませんね。それにしても「診断面接の質は、予測能力にある」ということが一番初めの章に書いてあって、luluはため息をついてしまいます・・・。すごく当たり前なことなのだけれども、なかなかできないことです。

診断面接の基本的な型を勉強するには必読の本です。
ただ、実際にこの通りやるのは難しい気がします。
臨床のセンスの差なのかなあ?

luluは非言語レベルでの読みとりが苦手なので、いつになっても神田橋先生にはたどり着けないかもしれませんね(涙)。

日々精進あるのみです!!

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