PTSD(心的外傷後ストレス障害)について解説します。 lulu-web過去ログより

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本記事はlulu-web過去ログをリライトしたものです。元の原稿は1999年に作成したので内容的に古い記述も見られます。時代背景も大切な資料ですので、ほぼそのまま掲載しています。

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PTSDとは、その原因は

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、自分やまわりの人の生命が危険にさらされるというような強いストレス状況を体験した後に、長い期間にわたって「こころ」や「からだ」にさまざまな症状が出てくるような状態のことをいいます。

例えば、阪神大震災のような自然災害であったり、地下鉄サリン事件のようなテロ、身体的または精神的虐待の体験、また特殊な場合では誘拐された体験や戦争における戦闘体験などもPTSDの一因となりえます。

 

強いストレスによって生じること

強いストレス状況にさらされた場合「こころ」や「からだ」に何らかの反応が出てきます。夜、眠れなくなったり、また同じことが起こるのではと不安や恐怖を感じたりします。

ストレスの程度が軽かったり、強いストレスに耐えうるだけの能力を持っていた場合、そうした症状は一時的に見られるだけで済むのですが、PTSDの場合は長期にわたって症状が続きます。

再体験(フラッシュバック)

症状は再体験(フラッシュバック)・回避・過覚醒にまとめることができます。

例えば、再体験では、外傷体験の状況をくり返し思い出したり、その出来事に関連した夢をくり返し見たりすることもあります。

回避

そのために外傷体験と関連した状況や場所、人物を避けるざるを得なくなることが回避の症状です。また、まわりの出来事に関心が薄くなったり、以前に楽しんでいたことへの興味がなくなったりします。これは二次的に起こる抑うつ症状と言えます。

人によっては、外傷体験の後に感情が麻痺してしまったような感じが出てくることもあります。そして、時には自分が自分でない感じ、生きている実感が持てない感じが強くなることもあるのです。これらは離人感や解離の症状が生じている可能性があります。

過覚醒

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身体的な症状も見られることがあげられます。過覚醒が起こるため、いつも緊張が解けません。寝付けないし、寝ても悪夢ばかり、集中力がなくなったり、急に怒りだしたりすることもあるようです。また、交感神経の働きが活発になるために、頻脈や発汗が見られたりもします。

PTSD関係の書籍

PTSDに関する本は専門書に良いものが多いようです。

例えば、「トラウマティック・ストレス」や「心的外傷と回復」は専門的ですが、内容はかなり濃いものとなっています。

一般向けのものとしては「トラウマの心理学」や「トラウマ―「心の後遺症」を治す」「PTSD 人は傷つくとどうなるか」がよく読まれているようです。

また、「心的トラウマの理解とケア」は厚生労働省によって編集されたものでガイドブック的に広い範囲でトラウマの治療についてまとめられています。

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